【ネタバレなし】『蒼海館の殺人』を読んだ感想。2021年発売の国内ミステリ最高傑作になり得る作品!

蒼海館の殺人とは

蒼海館の殺人

阿津川辰海先生が2021年2月発表された本格ミステリ小説

まだ26歳という若さでありながら、「紅蓮館の殺人」、「透明人間は密室に潜む」等のヒット作を連発している今後期待の作家さんです。

蒼海館の殺人のあらすじ

とある事件がきっかけで学校に来なくなった「名探偵」の葛城に会うため、助手の田所はY村の葛城の実家である青海館を訪れた。

葛城は名士と呼ばれる一族の出で、身内には政治家、学者、弁護士、警察官、モデルと正に華麗なる一族だ。葛城の家族に迎られ夜を迎えるが、台風による激しい雨が降り続くなか、連続殺人の幕が上がる。

刻々とせまる洪水、増える死体、過去に囚われたままの名探偵、彼らは一体どうなってしまうのか……。

蒼海館の殺人を読んだ感想

ネタバレなしだとあまり書ける事はないのですが、前作「紅蓮館の殺人」から数か月後が物語の舞台となっています。
物語の中でも前作での出来事が要所要所に出てきますので、もし「紅蓮館の殺人」をまだ読んでいないのであれば、先に「紅蓮館の殺人」を読むことを強く推奨します。

さて、今作ですが、間違いなく前作を遥かに越える出来で感動しました。今年発表されるミステリ大賞を総なめにしてもおかしくない位の出来だと思っています。

主人公、葛城の探偵としての自信喪失(詳しくは前作にて)。
助手として「探偵のあるべき姿」を葛城に求める田所。
そんな中起きてしまった殺人。更に迫り来る自然の猛威。
名家葛城家の体裁を守るため、嘘にまみれた葛城家の面々。

中だるみ一切無しなので、ノンストップで読破してしまいました。小説としてのボリュームも十分。あっと驚くトリックも随所に散りばめられており、これぞ本格ミステリーといった感じでした。本当に今年一番のミステリー小説になってもおかしくありません。是非皆さんにおすすめしたい小説です。

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